6年目で転職する看護師は遅い?早い?私の結論

「6年目で転職って、遅いのかな」
「もっと早く動いたほうがよかったんじゃないか」

私は急性期病棟の看護師6年目。来年3月で退職することを決めています。決めたあとも、この2つの言葉が何度も頭をよぎりました。

同じように「今から動くのは遅いのかも」と迷っている人に向けて、私が6年間で実際に見てきたこと——1年目で辞めた同期、5年目で辞めた先輩、そして辞めなかった私——を、盛らずに書きます。先に結論を言うと、6年目の転職は遅くも早くもありません。

この記事を書いている私について

  • 急性期病棟の看護師6年目
  • 勤務形態は2交代制(夜勤は16時〜翌9時)
  • 1年目のとき、本気で「辞めたい」と思っていた。でも辞めなかった
  • 来年3月で退職予定。今は次のことを考えながら働いています

「6年も続けたのにもったいない」と言われることもあります。でも私は、6年続けたから偉いとも、6年もかかったから遅いとも思っていません。その理由を、これから書きます。

結論|6年目の転職は、遅くも早くもない

最初に私の結論を書きます。6年目での転職は、遅くも早くもありません。

そもそも「看護師の転職に、早い・遅いという物差しを当てること自体があまり意味がない」というのが、6年働いてたどり着いた実感です。1年目で辞めた同期にも、5年目で辞めた先輩にも、それぞれ得たものと苦労したものがありました。年数が変われば、良いところと大変なところが入れ替わるだけで、どちらが正解ということはなかったんです。

ここから、私が実際に見てきた3つのケースを順番に書いていきます。

1年目で「辞めたい」と思った私が、辞めなかった理由

正直に書くと、私がいちばん辞めたかったのは1年目です。

できないことばかりで、毎日怒られて、家に帰って泣いて、また出勤する。夜勤に入るようになってからは生活のリズムまで崩れました。「明日行きたくないな」ではなく、「もう無理かもしれない」。あの頃の感覚は、6年経った今でもけっこう鮮明に思い出せます。

引き止めていたのは、上司ではなく自分自身だった

それでも私は辞めませんでした。理由は上司に強く引き止められたからでも、患者さんへの使命感でもありません。ただ、こわかったからです。

  • 1年目で辞めたら、次の転職に響くんじゃないか
  • そもそも、1年目で辞めた看護師を採ってくれる病院なんてあるのか
  • 「あの子、すぐ辞めたらしいよ」と言われるんじゃないか

今になって思えば、これは全部「たしかめていない不安」でした。誰かに聞いたわけでも、調べたわけでもない。頭の中だけで作った不安に、私は何年も足を止められていたことになります。

途中で辞めた同期に、後から聞いた話

一方で、私の同期は1年目の途中で潔く辞めていきました。当時の私は、正直「これから大丈夫なのかな」と本気で心配していたくらいです。

でも、辞めたあとに話を聞いて、かなり驚きました。

  • 普通に採ってくれる病院はある。応募先がなくて困る、ということはなかった
  • むしろ1年目の途中で辞めたからこそ、新人として扱ってもらえた
  • 先輩がみんな一から教えてくれるし、研修もきちんとあって手厚かった

「経験が浅い=不利」だと思い込んでいたのに、経験が浅いからこそ育ててもらえるという側面があった。私が1年目のときにいちばん欲しかったものを、辞めた同期のほうが手に入れていたわけです。

  • 私

    1年目の途中で辞めて、次のとこ大丈夫だった?

  • 同期

    全然。普通に採ってくれたよ。むしろ新人扱いだから、みんな一から教えてくれた。研修もちゃんとあったし。

  • 私

    ……それ、私が1年目にいちばん欲しかったやつだ。

もちろん、これは同期ひとりの例です。誰でも同じようにうまくいく、という話ではありません。ただ少なくとも、私が1年目のときに信じ込んでいた「1年で辞めたら終わり」は、事実ではありませんでした。

5年目で辞めた先輩の話|知識がある分、やりづらさもあった

逆のケースもあります。5年目で辞めていった先輩です。この前、久しぶりにランチに行ったときに、転職してからの話を聞かせてもらいました。

先輩が言っていたのは、こんなことでした。

  • ある程度の知識と経験がある分、最初から「できる人」として入ることになる
  • だから、新人のように一から教えてもらえるわけではない
  • 前の病院のやり方が身についているぶん、やりづらさを感じる場面もあった

経験があることは間違いなく強みです。でも強みがそのまま働きやすさになるとは限らない。これは6年目で辞める私にとって、かなりリアルな話でした。

先輩の言葉で、いちばん残ったこと

その日いちばん印象に残ったのは、先輩のこの言葉でした。

遅かれ早かれ、自分が「辞めたい」と思った時に辞めるのが一番いい。
じゃないと、ずっと同じところで働いていたら、長く働けば働くほど辞めづらくなるから。
一回辞めると、だいぶ視野が広がるし、「転職ってこんなもんか」ってなるよ。

5年目で転職した先輩

この言葉が刺さったのは、自分にまったく同じことが起きていたからです。

1年目で「辞めたい」と思ったのに、辞めなかった。2年目には後輩ができて、3年目にはリーダーが回ってきて、5年目には「今さら辞めるの?」という空気が自分の中にできあがっていました。年数を重ねるほど、辞めるのに必要なエネルギーは増えていきます。スキルが上がるのと一緒に、辞めづらさも育っていくんです。

早く辞める・長く続ける、それぞれのメリットとデメリット

ここまでの話を、いったん整理してみます。あくまで私の周りで実際に起きたことなので、参考程度に読んでください。

1〜2年目で転職した場合(同期のケース)

  • 良かった点:新人として手厚く教えてもらえる/研修が受けられる/早いうちから自分に合う場所を探せる
  • 大変な点:基礎が固まりきる前に環境が変わる/「またすぐ辞めるのでは」と見られる場面はある

5〜6年目で転職する場合(先輩と私のケース)

  • 良かった点:即戦力として見てもらえる/条件を交渉しやすい/自分に何が向いているか分かった状態で選べる
  • 大変な点:一から教えてもらえるわけではない/前の職場のやり方との差にやりづらさを感じる/年数が増えるほど決断が重くなる

並べてみると分かるのですが、片方の「良かった点」が、もう片方の「大変な点」になっています。つまり早い・遅いで優劣がついているのではなく、受け取るものが違うだけなんです。だから私は、6年目を「遅い」とも「ちょうどいい」とも思っていません。

それでも私が、6年目の今を選んだ理由

私が来年3月で辞めると決めたのは、「6年目がちょうどいいから」ではありません。今の私が、辞めたいと思ったからです。

1年目の私は、たしかめてもいない不安に負けて、自分の「辞めたい」を無視しました。その結果、5年ぶんの辞めづらさを自分で積み上げてしまった。だから今回は、同じことをしないと決めました。

先輩の言うとおり、遅かれ早かれ、辞めたいと思ったときが動きどきです。6年目という数字に意味があるのではなく、「今、そう思った」という事実のほうに意味がある——それが、6年働いた私の結論です。

「もう遅いかも」と迷っている人へ

最後に、当時の私と同じ場所で止まっている人に向けて書きます。

もし今、「たしかめていない不安」で足を止めているなら、まずたしかめてみてください。辞めると決める前に、情報を集めるだけならノーリスクです。

  • 自分の経験年数で、実際にどんな求人があるのかを見てみる
  • 辞めた先輩や同期に、転職後の話を聞いてみる
  • 「辞める」ではなく「調べる」から始める

私が1年目にこれをやっていたら、選ぶ道は違っていたかもしれません。調べたうえで残ると決めるのと、こわくて動けないまま残るのは、まったく別のことです。

まとめ

6年目で転職する看護師は、遅くも早くもありません。

  • 1年目の途中で辞めた同期は、新人として手厚く迎えてもらえた
  • 5年目で辞めた先輩は、経験がある分やりづらさもあった
  • どちらにも良い面と大変な面があり、年数だけで優劣は決まらない
  • 長く働くほど辞めづらくなるから、「辞めたい」と思った時が動きどき

私は来年3月に退職します。そのあとどうなったかも、またこのサイトで正直に書いていくつもりです。今まさに迷っている人の、判断材料のひとつになればうれしいです。