急性期看護師のリアルな1日|夜勤明けの私はこんな感じです
「急性期の夜勤って、実際なにをしてるんだろう」
「夜勤明けって、みんなどう過ごしてるの?」
看護学生さんや、これから急性期に配属される新人さん。そして今まさに「もう限界かもしれない」と思っている看護師さん。この記事は、そんな人に向けて書いています。
私は急性期病棟の看護師6年目。2交代制で夜勤に入り続けて、来年3月に退職することを決めました。今回は盛らずに、削らずに、私の夜勤1回分を16時から翌9時まで時系列で全部書き出します。最後には、夜勤明けの私が家に帰ってから寝るまでのリアルも。
この記事を書いている私について
- 急性期病棟の看護師6年目
- 勤務形態は2交代制(夜勤は16時〜翌9時)
- 受け持ちは重症度の高い患者さんが中心
- 来年3月で退職予定。今は次のことを考えながら働いています
「6年もやったのに辞めるの?」と言われることもあります。でも6年やったからこそ、この働き方をあと10年続ける自分がどうしても想像できませんでした。その話は記事の後半で書きます。
そもそも急性期の夜勤って何時間?
私の病棟は2交代制です。夜勤は16時に出勤して、翌朝9時に退勤します。休憩を挟むとはいえ、拘束時間は17時間。1回の夜勤で、日勤2回分くらいの時間を病棟で過ごす計算になります。
3交代制の病院なら準夜勤と深夜勤に分かれるので、これから書くスケジュールとはだいぶ違うはずです。ここで書くのは、あくまで「2交代の急性期病棟」のリアルだと思って読んでもらえたら。
【時系列】急性期看護師の夜勤スケジュールを全部書き出しました
ここからが本題です。私の夜勤1回分を、時間ごとにそのまま書き出しました。特別な日ではなく、いつもどおりの夜勤です。
16:00〜19:00|情報収集から、夕食が終わるまで
- 16:00 情報収集。受け持ち患者さんの日中の様子、指示変更、点滴の内容、翌日の検査予定をひたすら頭に入れる
- 17:00 日勤からの情報共有。そのまま患者さんへ挨拶回り。点滴の残量とルートを確認し、状態変化がある人はバイタル測定と血糖測定
- 18:00 夕食の配膳、食事介助、配薬
- 19:00 下膳、配薬、おむつ交換、体位変換
ここまでで一気に体力を持っていかれます。夕食の時間帯は、配膳と介助と配薬が同時に走るので、病棟がいちばん慌ただしい時間かもしれません。
20:00〜24:00|準備と点滴と記録の時間
- 20:00〜21:00 翌朝の内服セット、22時の点滴準備
- 21:00 眠前の血糖測定、配薬、おむつ交換、体位変換の介助
- 22:00 点滴交換
- 23:00 記録
- 24:00 尿破棄、廃液破棄、配茶
準備系の業務が集中する時間帯です。翌朝の内服セットも点滴準備も、間違えたら患者さんに直接影響が出るものばかり。眠くなり始める時間なのに、いちばん集中力が要ります。
深夜1:00〜4:00|いちばん静かで、いちばんしんどい時間
この時間帯にやることは、ずっと同じです。
- おむつ交換
- 点滴交換
- 体位変換
これを患者さんの人数分、順番に回していきます。記録も配茶も終わって、表面上は「静かな時間」。でも実際は、ラウンドが延々と続きます。
しかもこの時間帯は、人間の身体がいちばん眠い時間です。眠気と戦いながら、それでも点滴の残量も、患者さんの呼吸も、モニターの音も、ぜんぶ見ています。そして急変が起きやすいのも、だいたいこの時間。静かであることと、ラクであることは、まったく別物でした。
5:00〜9:00|朝のラウンドから、申し送りまで
- 5:00〜6:00 朝のラウンド開始。バイタル測定、血糖測定、食前薬の配薬など
- 7:00 朝食の配膳、食事介助、配薬
- 8:00〜9:00 下膳、配薬、おむつ交換、体位変換
そして日勤に申し送って、夜勤終了です。ここまで17時間。朝のラウンドが始まると「あと少し」と思えるのですが、正直この時間の記憶はいつも少し曖昧です。
このスケジュールに書けない、いちばん大事なこと
ここまで読んで、「意外と整然としてるな」と思った方がいるかもしれません。でも、上のスケジュールには決定的に抜けているものがあります。
それがナースコールです。
勤務が始まってから終わるまで、コールはひっきりなしに鳴ります。トイレ、痛みの訴え、点滴が気になる、眠れない、話を聞いてほしい。理由はさまざまです。
つまり私たちは、上に書いた業務を「コール対応をしながら」「時間内に収まるように逆算しながら」こなしています。予定どおりに進む夜勤なんて、6年でほとんど記憶にありません。だから帰るころには、くたくたです。
夜勤明けの私はこんな感じです
9時に病棟を出てからのことも、正直に書きます。よく「夜勤明けは休みみたいなもの」と言われますが、私の感覚では、ここまでが夜勤です。
- 9:00 退勤。頭はまだ働いているのに、身体だけが先に止まっている感覚
- 10:00ごろ 仲のいい先輩・後輩・同期と夜勤が重なった日は「明けランチ」。だいたい愚痴大会になります
- 帰宅後すぐ 速攻シャワー。汚れ撃退。これをやらないと寝られない
- 〜18:00 予定がない日はひたすら寝る。カーテンを閉めて、日が暮れるまで
- 19:00ごろ 起きて夜ごはん。ここでやっと1日が始まる感じ
- 20:00〜22:00 Netflixを観たり、TikTokを見たり。頭を使わない時間が必要
- 22:00〜23:00 また寝る。「今日、何もしてないな」と思いながら寝ます
夜勤明けの1日は、休みではなく回復日です。そして回復しきる前に、また次の勤務が来ます。
-
私
今日の夜勤、コール鳴りっぱなしだったね。記録どこでやった?
-
同期
3時。もう眠すぎて、書きながら記憶ないもん。
-
私
わかる。とりあえず食べよ。
この明けランチが、私にとってはけっこう大事な時間でした。同じ夜勤を越えた人にしか通じない話ができるし、「しんどかったよね」と言い合えるだけで、次の勤務までの気持ちがちょっと軽くなる。急性期で6年続けられた理由の何割かは、あの時間だったと思っています。
ただ同時に、こうも思うようになりました。愚痴を言い合わないと回復できない働き方って、どうなんだろう、と。
もし今、「この生活、いつまで続くんだろう」と思いながらこの記事を読んでいるなら。すぐ辞めなくていいし、今すぐ動かなくてもいいです。
ただ、自分の経験で他にどんな働き方ができるのかを知っておくだけで、夜勤中の気持ちはずいぶん変わります。私も、求人を眺めるようになってから「逃げ道はある」と思えて、少しだけ息がしやすくなりました。
6年やって分かった「きつさ」の正体
「夜勤がきつい」とひとことで言ってしまうけれど、6年かけて言語化できたのは、きつさの中身が3つに分かれるということでした。
- 体力より「同時進行」がきつい 立ちっぱなしがしんどいのではなく、コール対応をしながら次の投薬時間を逆算し続けることがしんどい。脳がずっと休めません。
- 生活のリズムが戻らない 明けに寝て、夜にまた寝て、次の勤務へ。友人や家族と時間が合わず、「普通の休日」の感覚が薄れていきます。
- 少人数で背負う責任 夜間は日勤よりずっと少ない人数です。判断に迷っても、その場にいるのは自分たちだけ。この緊張感が17時間続きます。
それでも私が来年3月に辞める理由
急性期が嫌いになったわけではありません。むしろ、ここで身についたアセスメント力も、急変時に動ける度胸も、一生ものだと思っています。
ただ、6年目のある夜勤明けに、シャワーを浴びながら「この17時間を、あと10年続けている自分」を想像してみたんです。まったく想像できませんでした。むしろ、想像した瞬間に少しゾッとしました。
限界まで我慢して倒れてから辞めるのではなく、まだ「急性期6年」という経験を持って動けるうちに次へ行く。それが、私が来年3月を選んだ理由です。
辞めると決めてから、いちばんやってよかったこと
それは、辞める前から情報だけ集めておいたことです。
- 夜勤なしの働き方が、実際いくらの給料になるのか
- 急性期6年の経験が、どの職場でどう評価されるのか
- クリニック、訪問看護、企業(産業看護師)など、選択肢がどれだけあるのか
これを知らないまま「とりあえず辞める」を選んでいたら、たぶん焦って決めていました。先に知っておくと、辞めるのも辞めないのも、自分で選べるようになります。
看護師の転職サイトは、登録も相談も無料です。「今すぐ転職する人」だけのものではなく、情報を集めるだけでも使えます。私も、まずは求人を眺めるところから始めました。
※ 登録しても、すぐに転職する必要はありません。無理な勧誘が不安な方は、連絡方法の希望を最初に伝えておくと安心です。
まとめ
- 2交代の夜勤は16時〜翌9時。拘束17時間
- スケジュールに書けないけれど、ナースコール対応は最初から最後まで続く
- いちばんしんどいのは深夜1時〜4時。静か=ラク、ではない
- 夜勤明けは休みではなく回復日。速攻シャワー、夕方まで就寝、夜にやっと人間に戻る
- きつさの正体は、体力よりも同時進行・生活リズム・責任の重さ
もし今これを夜勤明けの布団の中で読んでいるなら、まずはゆっくり寝てください。そのうえで、いつか「この働き方以外にもある」ということだけ、頭の片隅に置いておいてもらえたらうれしいです。
私も来年3月に、6年間の急性期を卒業します。またこのブログで、その後のことも書いていきますね。